kaninome’s diary

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はさみうちの定理(数列)

 こんにちは!蟹の目です。
今回は数列の極限の続きで、はさみうちの定理について書いていきたいと思います。
他に2つ、示しておきたい式についてもあわせて紹介しますので、一緒に頑張っていきましょう!

今回の話題

  1. はさみうちの定理
  2. 追い出しの定理
  3. 発散する数列の逆数

 

 

1.はさみうちの定理

 まず、今回の主題であるはさみうちの定理について書いていこうと思います。
 an→a(n→∞), bn→a(n→∞)
    an≦cn≦bn
である数列{an},{bn},{cn}について考えます。
 このとき、次が成り立つことをはさみうちの定理といいます。
cn→a(n→∞)

 

 それでは、これを示していきましょう!

 ε>0をとると、仮定から
n1∈N[n≧n1⇒|an-a|<ε]
n2∈N[n≧n2⇒|bn-a|<ε]

 よって、n0=max{n1,n2}とすると、
n≧n0のとき
a-ε<an≦cn≦bn<a+ε
これはcn→a(n→∞)を示す ◾️

 

 

 

2. 追い出しの定理

 これから紹介する定理は、はさみうちの定理の延長にあるような定理です。
私が勝手にその性質から"追い出しの定理"と名づけているだけなので、名前は気にしないでください。

 ではその定理とはどういうものか説明したいと思います。
an→∞(n→∞),  an≦bn
 である数列{an},{bn}があるとき、
次の式が成り立つことを追い出しの定理と呼んでいます。
bn→∞(n→∞)

 

 それでは、これを示していきましょう!

 M>0をとると仮定から、
n0∈N[n≧n0⇒an>M]
 n≧n0のとき、
M<an≦bn

これはbn→∞(n→∞)を示す ◾️

 

 

 

3. 発散する数列の逆数

 これから、今までも当たり前のように使ってきたことを数学的に正しいと示したいと思います。それは次の式です。
an→∞(n→∞)⇒1/an→∞(n→∞)

 みなさん、1/nがnを無限大に近づけると0に収束することは知ってますよね?
これから、1/nに限らず、正の無限大に発散する数列の逆数をとった数列は0に収束することを示します!

 an→∞(n→∞)である数列{an}について考えます。
 ここで、ε>0をとると、仮定から
n0∈N[n≧n0⇒an>1/ε]
n≧n0のとき
0<(1/an)<ε
 これは|(1/an)-0|<εを満たし、すなわち
1/an→0(n→∞)を示している。 ◾️

 

 今回はこれら3つの定理について示したところで終わりにしたいと思います。
今後、数列の極限への証明問題などで今回示した定理はよく使えます。
当たり前じゃん!と思ってもらって構いません、上の定理が成り立つことだけでも覚えておいてください。次回から定理を使った問題なんかも解いていこうと思いますので、数列の極限をしっかり理解していきましょう。

また次回!!!