kaninome’s diary

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ライプニッツの公式

 こんにちは!蟹の目です。
今回はライプニッツ(Leibniz)の公式についてきていこうと思います。
以前、高次導関数について説明しましたが、今回紹介するこの公式は積のn次導関数を求めるための公式になっています。どんな公式になっているのか確認してみましょう。

 

 n次導関数を求めることにおいて厄介なのが積の微分です。
和や差のn次導関数はそれぞれ微分してから和や差を取れば良いのですが、
({f(x)+g(x)}(n)=f(x)(n)+g(x)(n))
積の微分の場合、そう簡単にはいきません。
({f(x)g(x)}'=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)でしたね)

 

 そこで積の形で表された関数のn次導関数を求めるための式としてライプニッツの公式が用いられます。

 

ライプニッツの公式

 実際にライプニッツの公式がどんな形になっているのか紹介します。
式の簡略化のためにf(x)をf,g(x)をgと表します。

(fg)(n)=nC0f(n)g+nC1f(n-1)g'+nC2f(n-2)g(2)+…+nCnfg(n)

これがライプニッツの公式になります。二項定理に形が似ていますね。

本当にこのような形になるのか実際に示していきましょう。

 

 数学的帰納法で示したいと思います。

n=1のとき
(fg)'=1C0f'g+1C1fg'
       =f'g+fg'
よって公式は成り立つ。

n=kのときに公式が成り立つとすると
(fg)(k)=kC0f(k)g+kC1f(k-1)g'+kC2f(k-2)g(2)+…+kCkfg(k)

n=k+1のとき
{(fg)(k)}'=(kC0f(k)g)'+(kC1f(k-1)g')'+(kC2f(k-2)g(2))'+…+(kCkfg(k))'
              =kC0{f(k+1)g+f(k)g'}+kC1{f(k)g'+f(k-1)g(2)}
                +…+kCk-1{f(2)g(k-1)+f'g(k)}+kCk{f'g(k)+fg(k+1)}
              =kC0f(k+1)g+(kC0+kC1)f(k)g'+(kC1+kC2)f(k-1)g(2)
                +…+(kCk-1+kCk)f'g(k)+kCkfg(k+1)

kCl-1+kCl=k+1Cl (lは整数;0<l≦k)が成り立ち、kC0=k+1C0,kCk=k+1Ck+1であるから

(fg)(k+1)=k+1C0f(k+1)g+k+1C1f{(k+1)-1}g'+k+1C2f{(k+1)-2}g(2)+…+k+1Ck+1fg(k+1)

 よって公式はk+1のときにも成り立つ
数学的帰納法により、ライプニッツの公式は成り立つ。 ◾️

 

 

 今回の内容はどうだったでしょうか?
ライプニッツの公式は今後、積の形の関数のn回微分するのに大切な公式になります。
ぜひライプニッツの公式を使えるようになって、難しい微分も解けるようになっていきましょう。

また次回!!!