覚えておきたいn次導関数
こんにちは!蟹の目です。
今回は少し箸休めの感じでいくつかのn次導関数を求めていきたいと思います。
覚えておいた方がいいものもありますので、一緒に確認していきましょう。
今回の話題
1. sinx
みなさん、sinxの微分がcosxに、cosxの微分が-sinxになることは知っていますね。
これと、cosx=sin(x+π/2), -sinx=sin(x+π), sinx=sin(x+2π)を使えば
sinxのn次導関数を求めることができます。
(sinx)'=cosx=sin(x+π/2)
(sinx)''={sin(x+π/2)}'=sin{(x+π/2)+π/2}=sin(x+2*π/2)
(sinx)(3)={sin(x+π)}'=sin{(x+π)+π/2}=sin(x+3*π/2)
以下これを繰り返すと、
(sinx)(n)=sin(x+nπ/2) であることが分かります。
2. cosx
cosxのn次導関数はsinxのときと同じように求めることができます。
(cosx)'=-sinx=cos(x+π/2)
(cosx)''={cos(x+π/2)}'=cos{(x+π/2)+π/2}=cos(x+2*π/2)
(cosx)(3)={cos(x+π)}'=cos{(x+π)+π/2}=cos(x+3*π/2)
以下これを繰り返すと、
(cosx)(n)=cos(x+nπ/2) であることが分かりますね。
3. exsinx
y=exsinxのn次導関数を求めてみましょう。
y'=ex(sinx+cosx)
=√2exsin(x+π/4) (∵三角関数の合成)
y''={√2exsin(x+π/4)}'
=(√2)2exsin{(x+π/4)+π/4}
=(√2)2exsin(x+2*π/4)
y(3)={(√2)2exsin(x+2*π/4)}'
=(√2)3exsin{(x+2*π/4)+π/4}
=(√2)3exsin(x+3*π/4)
以下これを繰り返すと、
(exsinx)(n)=(√2)nexsin(x+nπ/4) であることが分かります。
4. sin3xcos2x
y=sin3xcos2xのn次導関数を考えてみましょう。
y=(sin5x+sinx)/2 (∵三角関数の積和の公式)
であるから
1で求めた結果を使って
y(n)={(sin5x)(n)+(sinx)(n)}/2
={5nsin(5x+nπ/2)+sin(x+nπ/2)}/2
であることが分かります。(sin5xの5が前に出るのに注意してください)
今回の内容はどうだったでしょうか?
sinxやcosxのn回微分は覚えておくべきものなので、ぜひ自分で示すことができるくらいになっちゃってください。今後も微分法を学習する上で覚えておくべきことなどを書いていこうと思うので、一緒に微分をマスターできればなと思います。