極限のまとめ(問題2)
こんにちは!蟹の目です。
今回は前回に引き続き極限のまとめとして問題をいくつか解いていきたいと思います。
記述できるように理解しちゃってください。
今回の問題
- a>0とするx1>√aとして
xn+1=(xn+a/xn)/2 (n=1,2,…)とする
数列{xn}は収束し、極限値が√aであることを示せ - [a1,b1]⊇[a2,b2]⊇…⊇[an,bn]⊇…において
数列{an},{bn}が収束することを示し、
(bn-an)→0 (n→∞)⇒an=bn (n→∞)であることを示せ
1. a>0とするx1>√aとして
xn+1=(xn+a/xn)/2 (n=1,2,…)とする
数列{xn}は収束し、極限値が√aであることを示せ
xn+1-xn=(xn+a/xn)/2-xn
=(a-xn2)/2xn
ここでxn=(xn-1+a/xn-1)/2に対して(xn-1>0,a/xn-1>0)相加平均と相乗平均の関係から
xn≧√a (xn-1=a/xn-1のとき等号は成り立つ)
よってxn+1-xn≦0すなわちxnは減少数列である
また、0<xnであるからxnは下に有界である
以上のことから数列{xn}は収束する
これを踏まえて
xn→α (n→∞)とおくと
α=(α+a/α)/2
α2=a (α>0)
α=√a
以上より数列{xn}は√aに収束する ◾️
2. [a1,b1]⊇[a2,b2]⊇…⊇[an,bn]⊇…において
数列{an},{bn}が収束することを示し、
(bn-an)→0 (n→∞)⇒an=bn (n→∞)であることを示せ
区間In=[an,bn]とすると
a1≦a2≦…an≦bn≦… b2≦b1
数列{an}は上に有界な単調増加数列であり、
数列{bn}は下に有界な単調減少数列である。
よって数列{an},{bn}はそれぞれ収束する
また、an→a (n→∞),bn→b (n→∞)とすると
an≦a≦b≦bn
よって
|an-bn|≧|b-a|≧0
仮定から(bn-an)→0 (n→∞)であるから
はさみうちの定理を用いて
|a-b|=0
すなわちan (n→∞)=bn (n→∞) ◾️
今回の問題はどうだったでしょうか?しっかり示すとなるとこれまで学んだ知識をしっかり使わなければなりませんね。次回、コーシー列というものを紹介して極限の範囲を終わろうと思います。微積分に入る前に極限を理解しちゃいましょう。
(今回解いた問題はサイエンス社の「微分積分概論[新訂版]」に載っているものになります)