kaninome’s diary

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逆三角関数

 こんにちは!蟹の目です。
今回は三角関数逆関数である逆三角関数について書いていこうと思います。
今後、何度も見ることになる関数ですのでどんなものなのか理解していきましょう。

 

 

今回の話題

  1. 狭義の単調関数
  2. 三角関数の連続性
  3. 逆三角関数とは

 

 みなさん、三角関数については知っていますね。
sinとかcos,tanのやつです。この子たちの逆関数を考えたものが今回の話題である逆三角関数になります。
 ここで、逆関数について学んだことのあるみなさんは不思議に思ったはずです。
だって、逆関数xとyが一対一の関係、すなわちxを1つ決めればyが1つに決まり、yの値を1つ定めればそれに対応するxも1つに決まるときに定義されるものでした。
 だけど、三角関数って周期関数ですよね?普通なら逆関数が定義されません。
これを解決するのが定義域の設定です。

 

 

狭義の単調関数

 一度話を変えて狭義の単調関数というものについて記したいと思います。
みなさん、単調増加や単調減少という言葉を聞いたことがありませんか?
関数f(x)に対して[x1<x2⇒f(x1)≦f(x2)]これが成り立つときf(x)は単調増加関数といい、
逆に[x1<x2⇒f(x1)≧f(x2)]これが成り立つときf(x)は単調減少関数といいます。これらをあわせて単調関数と呼んだりします。
(高校までの数学でも何度かお目にしたことがあると思います。)

 では、狭義ってなんでしょう?答えは簡単で、不等号から=が消えたやつが狭義の関数になります。ただの単調関数では=がついていることから分かるように、関数のグラフが平のところがあっても良いのです。しかし、狭義の場合は平のところすらなく、増え続けるか減り続けています。これを狭義単調増加関数狭義単調減少関数といい、これらをあわせて狭義の単調関数といいます。

 

 なぜこんなものを急に記したかというと、閉区間内で狭義の単調関数である連続関数f(x)には逆関数が存在するからです。y=f(x)のグラフを書いてみればわかりますが、f(x)が同じ値をとることがありません。つまり、yを1つ決めるとそれに対応するxもただ1つに決まります。だから、このf(x)には逆関数が存在するのです。

 

 

三角関数の連続性

 さて、話を三角関数に戻しましょう。

まず、三角関数が連続かどうか調べてみましょう。
sinxがx=aで連続かを調べればsinxが連続関数かわかりますね。

ε>0をとると
|x-a|<δ=εのとき
|sinx-sina|=2|{cos(x+a)/2}{sin(x-a)/2}| (∵三角関数の加法定理)
      ≦2|sin(x-a)/2|
      ≦2{|x-a|/2}=|x-a|<ε (∵|sinx|≦|x|) ◾️

 これでsinxの連続性が示せましたね。ちなみに
cosx=sin(x+π/2)であることからcosxはsinxと(x+π/2)の合成関数であることがわかるのでcosxは連続ですね。また、tanx=sinx/cosxからtanxも定義域内で連続であることがわかりますね。

 

 

三角関数とは

 次に狭義の単調関数かをみてみましょう。
三角関数は確かに周期関数なのですが、定義域を設定するとその定義域内で狭義の単調関数になります。
 例えばy=sinxにおいて
定義域を(-π/2≦x≦π/2) すなわち[-π/2,π/2]とすると-1から1まで増え続ける狭義の単調増加関数になりますよね。

 このような定義域のsinxは狭義単調増加関数であり連続なので逆関数が存在します。
このような状況のsinxの逆関数逆正弦関数といい、y=sin-1xで表します。
(読みは”アークサイン”です)

 逆関数であるから
y=sin-1x (-1≦x≦1)⇔x=siny (-π/2≦y≦π/2)
が成り立ちます。

 同じように、cosxについても考えてみましょう。
cosxも周期関数ですが、定義域を(0≦x≦π)すなわち[0,π]とすると1から-1まで減り続ける狭義の単調減少関数になります。

 このような定義域のcosxは狭義単調減少関数であり連続なので逆関数が存在します。
このような状況のcosxの逆関数余弦関数といい、y=cos-1xで表します。
(読みは”アークコサイン”です)

 sinxと同じように逆関数なので
y=cos-1x (-1≦x≦1)⇔x=cosy (0≦y≦π)
が成り立ちます。

 何そもしつこいようですが、最後にtanxについても考えてみましょう。
tanxも同様に周期関数ですが、定義域を(-π/2<x<π/2)すなわち(-π/2,π/2)とすると
(tanxはx=±π/2で定義されないことに注意してください)
-∞から+∞まで増え続ける狭義の単調増加関数になります。

 このような定義域のtanxは狭義単調増加関数であり連続なので逆関数が存在します。
このような状況のtanxの逆関数を逆正接関数といい、y=tan-1xで表します。
(読みは”アークタンジェント”です)

 逆関数なので
y=tan-1x (-∞<x<∞)⇔x=tany (-π/2<y<π/2)
が成り立ちます。

 

 

 

 以上が逆三角関数の説明になります。文字ばかりでわかりにくいところもあると思いますが、次回以降簡単な問題を書く予定ですので、そちらを解いて理解してもらえたらと思います。一緒に逆三角関数について理解できるよう頑張りましょう。

また次回!!!